新品であれば100万円以上する複合機ですが、中古であれば20万円前後で購入できることも。「経費を抑えたい…」、「予算に限りがある…」、など少しでも節約しておきたい事業者にとって中古複合機の”安さ”は魅力的な選択肢です。
しかし、いざ選ぶとなると「本当に適正な価格なのか…」、「すぐに壊れてしまう粗悪品ではないのか…」、など中古複合機ならではの”不安”も。中古複合機が故障して仕方なく新品に買い替え…、なんてできれば避けたい事態です。
そこで、今回は中古複合機の価格が何で決まるのか、相場と特徴についてご紹介しましょう。中古複合機でもカウンター契約はできるのか、価格を抑えるためのテクニックなども。ぜひ、中古複合機を検討する際の参考にしてみてください。
新品であれば開発や製造、メーカーのブランド力などによって価格が決まります。では、中古複合機の価格はどのように決まっているのでしょうか?相場にも大きく影響する、中古複合機の価格の基準について詳しくご説明しましょう。
新品や中古にかかわらず、複合機の価格はまず”性能”によって決まります。
20枚/分ほどは”低速”とされ価格も安めに、30枚〜40枚/分は”高速”とされ高い傾向にあります。中には、50枚/分以上の”超高速”とされるものも。当然、印刷速度が速くなるほどに、中古複合機になったとしても高額です。
また、印刷やコピーなど基本機能のみは安めに、製本機能やCAD出力など特殊機能のあるものは高めに。本体サイズによってはA4までしか印刷できないもの、B4まで対応しているものなどもあり性能によって価格も様々なのです。
中古複合機に関しては、利用されてきた”年数”によっても価格が大きく変化します。
というのも、複合機の法定耐用年数は”5年間”。”5年間は機器としての価値があります”と定められている訳です。つまり、5年以上経過したものは価値がないものとして、中古複合機としても価格が大きく下がる傾向にあります。
ただし、複合機は精密機器なので、適切に整備されていないと年数が少なくても状態の悪いものが。整備されていない3年ものより、整備されてきた5年ものが価格も高くなりやすいです。”整備記録”もチェックしておくとより安心でしょう。
”人気”によっても、中古複合機の価格は変動していきます。
どんなものにも言えますが、人気のある商品ほど価格は高く、反対に人気のない商品ほど安くなります。中古複合機についても同様に、人気のある機種は年数が経っていても価格は下がりにくく、人気のない機種は新しくても安めです。
中古複合機の価格が適正かどうかは、”性能・年数・人気”の3点がどうなのか総合的に。性能と年数が良くても、人気がなければ安くなることも。高機能機種でも人気によっては安くなるので、”人気のないもの”は意外と狙い目なのです。
中古複合機の価格は”性能・年数・人気”によって決まるとのことでした。ただし、実際には他にも様々な要素があり、一般の方が目利きするのは大変です。そこで、中古複合機の価格相場とその特徴についてご紹介しましょう。
まず、中古複合機でも”10万円以下”のものは格安の部類に入ります。
新品の複合機は一般的なタイプで100万円前後、お手頃なものでも50万円ほど。高機能機種になると500万円近くするものもあります。正直、中古複合機だとしても、10万円以下というのは価格としては安すぎる部類です。
10万円以下は故障歴がある、年数が経ちすぎているなど”訳あり”と考えて間違いないでしょう。複合機は精密機器なので状態によってはすぐに故障します。信頼のできる業者でもない限り、10万円以下のものはおすすめできません。
次に、中古複合機としては”10万円以上20万円以下”はまさに価格の相場です。
リサイクルショップなどは別にして、中古複合機を専門に取り扱っている業者をチェックすると20万円前後のものが多くを占めています。20万円以上のものもありますが状態の良さや人気の高さなどと、性能自体はあまり変わりません。
10万円以上20万円以下は一般的な性能、かつ比較的新しいものなイメージです。「新品だと100万円以上するのに大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、あまりにも年数の経っていない限りは安心して検討できると言えます。
次に、”20万円以上30万円以下”というのは中古複合機の相場としてはちょっと高めです。
先述した通り、中古複合機の価格相場は”10万円以上20万円以下”。”20万円以上30万円以下”というのはちょっとだけ高めなので、中古複合機としては”なぜ相場より高めの価格設定なのか”をチェックしておきたいところです。
20万円以上30万円以下はほぼ新品と変わらない、または新品だと500万円近くする高性能機種であることが考えられます。より年数の経っていないものを、より高機能なものを少しでもお得に購入したいのならおすすめな価格帯です。
最後に、中古複合機にも”30万円以上”するものもありますが、中古にしては高すぎます。
印刷やコピー、ファックスなど基本性能だけに絞れば新品でも50万円ほど。特に、印刷速度にこだわらなければ、家電量販店などには2,3万円で家庭用複合機も。わざわざ30万円以上もする中古複合機を選ぶ必要はないのです。
30万円以上するものは高性能機種でかつ新品と変わらない、または相場の分かっていない業者が高めに設定している可能性があります。せっかく中古複合機で安くしようとしているのなら、少なくとも30万円以下から選びたいところです。
中古複合機の価格相場は10万円以上30万円以下とのことでした。しかし、あくまで”中古”なだけに、中古複合機にはどこかしら”我慢ポイント”がでてくるもの。そこで、中古複合機を選ぶ上で大切なポイントについて見ていきましょう。
中古複合機を選ぶには、”欲しい機能は何か?”から考えます。
例えば、印刷やコピー、ファックスなど基本機能だけでいいのなら、機能の限られている安いものでも十分です。中古複合機としては10万円以上20万円以内と、まさに”価格相場”から比較的新しく状態の良いものが見つかります。
反対に、製本機能やCAD出力、セキュリティ性能などと特殊機能を求めるのなら、多少高くとも高機能機種を選ぶ必要が。20万円以上30万円以下と、中古複合機としてはちょっとお高めから選ぶのが状態としても安心できます。
”用意できる予算はいくらか?”というのも、中古複合機を選ぶには欠かせない要素です。
中古複合機の価格相場は安くても10万円以上。高いものになると30万円近くするものも。新品に比べると”格安”ではありますが、決して使い捨てられる価格ではありません。特に、中小規模事業者にとっては無視できない出費です。
また、これから事業を始めるという方はパソコンやビジネスフォンなど、複合機以外にも準備するべきものが。全体の予算にも限りのあるはずです。中古複合機にいくらまで用意できるのか、およそでも考えておくと機種などを絞り込めます。
中古複合機を選ぶのなら、”何年間は使うつもりか?”というのも考えておきたいところ。
というのも、先述した通り、複合機の法定耐用年数は”5年間”です。精密機器なだけに年数が経っているものは劣化している可能性が。仮に価格が安くとも、部品が劣化しているとすぐ交換する必要があり修理費用などがかさみます。
新品を買うまでの1,2年間、あくまで短期間での使い捨て感覚であればあまり気にしなくてもいいでしょう。しかし、少なくとも3年以上使うつもりなら、少しでも状態の良いものを。できれば使用年数が2,3年と新しいものがおすすめです。
新品であれば100万円以上する機種でも、中古複合機であれば30万円以内に。中古複合機が人気なのも納得ですが、市場が大きいだけに選ぶのは大変です。そこで、数ある中古複合機からおすすめ機種3選をご紹介しましょう。
本体サイズと価格帯で選ぶのなら”Canon MF735Cdw”で決まりです。
本体サイズは幅と奥行きが約47cm、高さが約73cmと。複合機としてはコンパクト設計で、スモールオフィスに設置しても邪魔にならないほど。にも関わらず、最大サイズのA4用紙を27枚/分と十分に高速印刷のできる機種です。
中古複合機としては3万円前後とちょっと安すぎる気もしますが、新品が9万円前後なので適正価格と言えます。ただし、本体サイズが小さいだけに機能は基本のもののみと、あくまで予算を抑えてコンパクトに使いたいときにおすすめです。
機能性と操作性で選ぶのなら”SHARP MX-3640FN”がおすすめでしょう。
印刷にコピーなど基本機能はもちろん、ICカードリーダーによるセキュリティ機能、資料の一部だけを隠して印刷する”指定範囲消去”なども。最大1,200dpiの高精細出力に対応しているので、大判のポスター印刷にも対応可能です。
中古複合機としては25万円前後と価格相場、かつ機能も充実しているのでむしろお得なほど。また、業界初の”マルチタッチ”が搭載され、直感的に操作できる操作性もあるので初めての複合機、機械が苦手な方でも安心です。
最高クラスの複合機を検討するのなら”Fuji Xerox ApeosPort-V C7785”です。
カラー印刷が70枚/分、モノクロ印刷が75枚/分といわゆる”超高速”。にも関わらず、最大2,400dpiの高解像度が実現されていて、”速く”かつ”綺麗に”を両立させた機種です。写真にこだわった冊子作りにも十分に耐えられるでしょう。
中古複合機としては35万円前後と、かなり高めですが最高クラスの機能だと考えると検討する価値があります。ただし、年数が経っていると性能の落ちている可能性があるので、できれば2,3年ものとできるだけ状態のいいことが条件です。
中古複合機を選ぶとき、どうしても本体価格にだけ目がいきがちです。しかし、トナーや用紙、部品など中古複合機も導入してから維持費用がかかります。では、新品と同様に、中古複合機でも”カウンター契約”はできるのでしょうか?
カウンター契約とは”保守契約”の一種です。
カウンター契約には消耗品の交換、修理費用が含まれています。例えば、トナー(インク)や部品などの消耗品、作業員の派遣や作業などの修理費用など。カウンター契約を交わしておけば、基本的に維持費用は別途かかりません。
カウンター料金は”何円/枚”という計算に。1枚印刷するごとに料金が発生する契約なので、印刷するほどに費用がかさみます。コンビニのコピー機をよりお得に使っているイメージです。複合機とセットで考えておきたい契約と言えるでしょう。
結論を申し上げると、中古複合機でもカウンター契約はできます。
ただし、あくまで”中古”なので、新品に比べるとカウンター料金は高めに設定されています。というのも、カウンター契約には部品や修理の費用も含まれているため。中古ほど故障のリスクが高くなり、部品や修理の頻度も多くなるためです。
また、中古複合機に関しては、すべての業者がカウンター契約に対応しているわけではありません。業者によってはカウンター契約は”新品のみ”としているところも。あまりにも古い機種だと部品の在庫の関係で、対応外のこともあります。
カウンター契約というのは”取れるところからたくさん取る”のが常識なので注意しましょう。
カウンター契約は”何円/枚”という契約なので、印刷するほどに費用がかさみます。その点、コンビニのコピー機だとカラー印刷が50円/枚から、白黒印刷が10円/枚からと。コンビニに比べると、カウンター契約が安いのは確かです。
ただし、サービスを提供している業者によってカウンター料金は様々。また、同じ業者であっても、利用者によっては条件の異なることもあります。例えば、A社はカラー20円/枚、B社はカラー10円/枚などと異なることがある訳です。
新品、中古にかかわらず複合機を導入するのならカウンター契約を交わすのが一般的です。しかし、カウンター契約には”表向き”と”裏側”の2つの価格相場が。では、契約を交わす前に知っておきたい、価格相場についてご説明しましょう。
カウンター料金は複合機の印刷速度、月の印刷枚数によって価格相場が変わります。
上記から分かる通り、カウンター料金は印刷速度が速くなるほど安くなる傾向に。これは印刷速度が速くなるほど印刷枚数も増えやすく、1枚あたりの単価を安くしても十分に儲かるためです。
また、最近ではカウンター料金の価格相場は減少傾向にあると言われています。業者が乱立したことによる価格競争、集客のために料金を安くするという”市場原理”によるものなのでしょう。
先述したのは表向きのもの、実は業者しか知らない”裏側”の価格相場があります。
上記から分かる通り、カウンター料金の裏側の相場はカラー印刷で10円/枚。印刷速度や印刷枚数にかかわらず、10円/枚までであれば問題なく下げられる訳です。モノクロ印刷に至っては1円/枚というのも。
当然、上記の価格相場はあくまで”業者が十分に儲けられる”のが前提です。つまり、交渉次第では10円/枚より安くできる可能性も。事実、カラー印刷を7.5円/枚で契約している事業者もいます。
ちなみに、カウンター契約を交わすのなら”最低利用料金”もチェックしておきましょう。
最低利用料金とは、利用枚数にかかわらず必ず発生する料金のこと。例えば、最低利用料金が2,000円だとします。カウンター料金を1,000円しか使っていなかったとしても、当月は最低利用料金の2,000円が請求される訳です。
最低利用料金の価格相場は2,000円前後。業者によってはあえて最低利用料金を高く設定しているところも。3,000円以上はちょっと高い印象を受けるので、少なくとも2,000円前後で契約のできる業者を探すことをおすすめします。
先述した通り、中古複合機のカウンター料金は業者によって様々。また、同じ業者、同じ条件であっても交渉次第で価格は変わります。そこで、最後に中古複合機のカウンター料金を少しでも抑えるためのテクニックをご紹介しましょう。
まず、カウンター契約を交わす前に、カウンター料金の”価格相場”を知っておきましょう。
カウンター契約に限らず、どんな取引でも”価格相場”を知らないと対等に話ができません。業者の提示する価格をそのまま飲むのか。または「本当に安いのか?」と疑心暗鬼に陥るしかなく、どちらにしても不満が残ります。
その点、価格相場を知っておけば、業者の提示する価格が安いのか高いのかくらいは把握できます。少なくとも価格相場を前提として話を進められますし、知識のある相手に対しては業者としても無理な価格を提示しません。
次に、最低2,3社から”相見積もり”を取るというのもカウンター契約では欠かせないことです。
相見積もりとは同じ条件で、複数の業者から見積もりを取ることです。中古複合機に関しては同じ機種、印刷枚数や印刷頻度など。業者から質問されることに対してできるだけ同じ内容、同じ条件を回答するようにします。
条件が同じであれば、”価格差”が明確に比較できます。また、複数の業者と話を進めることで、「この業者はいくらだった」と交渉することも。どの業者も”他店より安く”を掲げているので、カウンター料金を値引きしてもらいやすいです。
最後に、カウンター契約を有利に進めたいのなら”周辺利用者の契約内容”まで把握したいところ。
周辺に知り合いの事業者はいませんか?もし、同じ業者とカウンター契約をしているのなら、条件に対するカウンター料金を聞いてみましょう。同じ条件でもA社とB社でカウンター料金が倍以上異なる…、というのはよくあります。
相見積もりだけだと、業者によっては適当に理由をつけてごまかされることも。その点、実際の利用者を引き合いにすれば反論はできないはず。少なくとも同じ条件で、交渉次第ではよりお得な条件で契約できるかもしれません。
今回は、中古複合機の価格が何によって決まるのか、相場と特徴についてまとめてみました。
中古複合機の価格相場を決めている要素は主に3つ。
性能が高くとも年数が経っていると安くなります。反対に、年数が経っていても、人気のある機種だと価格が下がりにくいことも。”性能・年数・人気”の3つを総合的に比較した上で、その価格が妥当なのかを判断するのが良いでしょう。
ただ、実際に選ぶとなると、上記の要素だけでは判断の難しいことも。具体的な価格帯を、その特徴を知っておくことでより正確に比較できます。
また、中古複合機では”カウンター契約”についても考えておく必要が。本体価格が安くとも、カウンター契約が高いとあまり節約にはなりません。本体価格以上に、シビアに交渉して1円でも下げておきたいところです。
ぜひ紹介した内容を参考にし、中古複合機の中でも状態の良いものをより有利な条件で購入してみてください。